〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 2009年10月25日 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
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◆◆◆ ドクター国松の「日本の国はここがおかしい」 第106号 ◆◆◆
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−テーマ−
どうすれば日本の国は復活するのか
--本日のテーマ-----民主党の経済政策は正しい。
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◆民主党の経済政策には成長戦略がない。という批判を良く聞く。企業への支
援政策がほとんどないことや、産業育成政策がほとんどないことが理由とし
てあげられている。
◆民主党には「子ども手当、高校無償化、高速道路無料化、暫定税率廃止など
の政策により、家計の可処分所得を増やことで消費を拡大し、それによって
日本の経済を内需主導型へ転換し、安定した経済成長を実現する。」という
成長戦略があるが、どうも既存の経済学者やシンクタンクには評価されてい
ない。
◆新しい財やサービス、市場をつくり、富を創出する活動を行うのは企業であ
って、家計や政府ではない。したがって、経済政策には富を生み出す唯一の
主体である企業を活性化するスタンスが必要である、という論理である。
◆しかし、それでは自民党が公共投資や補助金にあれだけ多額の税金を投入し
た経済対策はどうして企業を活性化できず、景気回復につながらなかったの
だろうか。
◆その答えは、今の日本の経済は企業重視の経済政策では改善できない段階に
あるからである。
◆輸出産業が多くを占める日本の大企業は、昔は日本の工場で製品を作り海外
に輸出していた。この時点では、企業が利益をあげればそれは国内での投資
増につながり雇用も増えた。
◆円高に進行により、日本の製造業が海外生産に比重を高めるにつれ、企業の
投資額の内国内で投資される割合が減っていった。完成メーカから部品メー
カーへと進出企業が広がるにつれ、企業収益が国内に投資される比率はます
ます低下していった。
◆今では中国等の新興国は生産基地だけではなく、市場としての注目度を増し
ている。金融危機後日本企業は海外市場開拓をむしろ積極化しており、海外
展開の重点ターゲットは従来のような成熟した米欧先進国市場ではなく、今
後中長期的に成長の見込めるアジア新興国市場に移っている。つまり、日本
の企業は新興国で生産し新興国の市場で販売する。そこでは、日本経済はほ
とんどスルーされている。
◆注目すべきは、今回の危機であまり打撃を受けていない内需型企業も、新興
国市場への進出を加速させていることだ。カジュアル衣料の勝ち組であるユ
ニクロを展開するファーストリテイリングが今年4月のシンガポール出店を皮
切りにアジアで年100店出店する計画であるほか、宅配便最大手のヤマトホー
ルディングスが来年1月の中国上海進出を皮切りにアジアでの事業展開を表明
するなど、ここにきて企業の新興国市場攻略の動きに拍車がかかっている。
◆これらの経済活動が日本の景気と雇用に何の効果があるだろうか?
企業にとっては利益となり、一部は日本に送金され配当として日本に還元さ
れるかもしれないが、全体から見れば微々たるものである。
◆もはや、ここの企業の繁栄と日本経済の発展、国民の幸せはリンクしていな
い。この事実に目をむけるべきである。
◆トヨタは今や世界一の自動車会社だが、日本の東京モーターショーへの参加
企業はたったの113社であり海外からはわずか3社にすぎないという事実が日
本の現状を象徴している。(ちなみに4月の上海モーターショーは1500社)
◆人口減少で日本市場のパイが増えない以上、今こそ新興国市場を開拓すべき
時というのが、海外に進出する日本企業の考えである。
◆人口が増えなくても一人消費が10万円増えれば、個人消費は12兆円拡大し、
その乗数効果は、海外に逃げる企業への支援よりはるかに大きい。
◆その意味で、家計の可処分所得を増やすことを狙いとする民主党の政策は、
景気対策として企業への支援よりも有効である。
◆2009年10月19日の東レ研究所の「民主党新政権の経済政策の焦点」という論
文では、「日本の厳しい財政状況を考えれば、大盤振る舞いの家計支援策を
恒久的に続けることは不可能である(当てにしている霞が関の「埋蔵金」も
税とは違って一回限りの財源である)。家計への支援金が一時的なものであ
れば、消費刺激効果は一過性にとどまる。また、国民から見れば、国が家計
支援のために使ったカネは後で税として徴収されることが想定されるため、
国民の間に「一時的に収入が増えても、どうせ後で税金で取られるので、貯
蓄した方がよい」という合理的期待が生じて、短期的な景気刺激効果すらも
薄れることが予想される。」として、その効果の有効性に疑問を投げかけて
いる。
◆今のところ民主党は5.3兆円に上る子供手当の財源に目途をつけていないよう
に見える。支出見直しで財源がでてこないと、上の主張が現実になる可能性
も否定できない。
◆しかし、そうなると、日本の未来は期待できない。このままの経済を続けれ
ば22世紀には日本はアジアでも貧困国の仲間入りをしていることだろう。
◆少子高齢化社会への恐怖に基づく国民の無気力化と、社会のゆるやかな衰退
は現在日本の最も大きな脅威であり、これを食い止めることができなければ
日本はやがて滅亡する。
◆海外勢力の圧倒的力の前に無理やり開国をのまされ、それに対抗するために
日本人がつくりあげた明治政府は、わずか300万円の財政収入に対し、その10
倍に近い3000万円の支出を行い近代化を成し遂げ欧米列強と並ぶ国家を作り
結果的に健全な財政をつくりあげた。
◆ビジョンを定め国民の力を結集すれば、日本は再び奇跡をおこせることを確信
している。今は目先の財政健全化を優先すべき時期ではない。少子高齢化を防
ぐ対策として、子供手当は有効な政策である。例え全額を政府紙幣で賄ってで
も子供手当は永続的な制度として定着させるべきでる。
◆そうすることで、少子高齢化対策だけでなく、景気対策としても十分効果を
発揮することができる。
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