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2009年07月23日

国際基準への日本の対応の問題

 ロンドンに本部をおく国際会計基準審議会(IASB)は企業が保有する株式や債券の
 区分を簡素化する素案を14日に公開した。

 有価証券の分類を「時価評価して決算で損益計上するもの」と「しないもの」の2種類
 のみに分類し、これまでの複雑な分類を大幅に簡素化する。  新聞によると、これに
 対し日本の金融機関や財務省が反発している。
 
 日本の金融機関は欧米の金融機関と比較して、資産に占める国債や株式の比率が高い。
 いまの日本の会計基準では50%以下になるまで、時価評価する必要がないが、IFRS(国際
 会計基準)に基づき、これを時価評価されると、収益が不安定になり、利益が株式や国債の
 時価で大きく変動するからである。

 一方で、損益計上しない、に分類してしまうと、売却して益出ししたいときにできなくなる。
 
 財務省が恐れているのは、保有国債の時価評価額に応じて利益が大きく変動することを
 嫌い、金融機関が国債保有を避けることだ。

 しかし、元々金融機関が国債や持ち合い株をもてば、それだけ運用利回りが低下する。
 貸付等のもっと高利回りの運用を行い、預金者に金利として還元するのが、預金者が
 金融機関に期待していることであり、預金利子が低いことに甘んじて、非効率な国債運用
 や株式の持ち合いをすることは金融機関の怠慢以外の何物でもなく、国債基準をむしろ
 推進すべきである。

 アメリカがIFRS採用を予定しており、G20で日本だけが採用スケジュールを明確にして
 いないが、国債消化についても、各国は問題としていないのであれば、日本だけが国債
 消化を問題点とすべき理由はない。

 ISOにしてもHASSPにしても、いまでは日本でも当たり前に導入されているが、最初は抵抗し
 結局導入に追いこまれるというのが日本の典型的な対応であった。

 会計基準についても、近いうちに導入に追い込まれるのは目にみえている。

 何事にしても、国際基準については、最初から積極的に参加し、日本の意向を大幅に盛り込み
 使いやすい基準をつくるぐらいのことをしてほしいものである。


 

 

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posted by ドクター国松 at 23:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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