農林中金の最終赤字が5657億円となり、含み損も2兆円に達するらしい。
外債での運用失敗がその主な原因である。
元々、JAが金融業務を営むのは、農家が外部の金融資本に搾取されないよ
うに自前で賄うためだったように思うが、今はそんなことは忘れさられてい
るらしい。
農林中金の資料によると、21年4月でJAバンクは貯金83兆円に達するが、貸
出金は22兆円にすぎないらしい。この内、農業の振興に役立っている部分は
半分もないのではないだろうか。
今回、残りのかなりの部分が、海外の債券に投資され、結局JAの貯金は農
業だけではなく、日本経済にもほとんど貢献していないことが、白日のもと
にさらされた。
JAが金融業務をしていなければ、83兆円の資金は銀行にながれ、より多く
の資金が、国内の企業に貸し出されたことは疑う余地はない。
同じことはJAの行う保険業務にも言える。JA共済は平成19年度末で340兆
の長期共済保有契約高をもつ、日本有数の保険会社でもある。
今年の決算で生保12社は合計は約2兆4400億円の有価証券評価損を計
上したが、公開義務のない全共連は何も明らかにしていないが、農林中金と
同様に、他の同業者より運用能力がすぐれていることは考えられないので、
多額の含み損があっても少しも意外なことではない。
どちらにしても、共済の資金も貯金と同様、日本農業の発展には何の寄与も
していないことは明らかである。
日本農業を発展させねばならないという点において、ほぼ国民のコンセンサ
スは得られているのではないだろうか、この状況でJAに集められた資金が
何ら農業に寄与しないということは犯罪行為である。
JAにあつめられた資金は50%以上は農業発展に寄与する事業に使用するこ
とを義務づければ、JA組織ももっと真剣に農業を発展させる方策について
考え、農業への投資を開拓する方向に向かうのではないだろうか。
金融機関も保険会社も他にたくさんあるのだから、それができないようなら
JAで金融業務や保険業務を行う必要はない。
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