金融危機と少子高齢化、二極分化の進行による中流階級の没落である。
1.金融危機
◆今現在、まさにその火中にあり、早急な解決を必要とする。株や海外資産の暴
落は、金融機関の経営を蝕み、貸し渋りを発生させ、景気を急激に悪化させて
いる。
◆また、年金資産を減少させ、このまま放置すればそれでなくても危機的状況に
ある年金制度の破綻を早めてしまう。
◆さらに、政府の間違った低金利政策のため、株式や外債、投資信託といったよう
な高リスク商品に誘導された高齢者の老後資金を目減りさせ、彼らの人生設計を
狂わせつつある。
◆この危機は一刻を争って解決しないと事態は急激に深刻化する。
現在の金融危機は経済的現象である以上に心理的パニックの結果であり、対策と
しては、このパニックを抑えることが必要である。心理的なパニックの解消に最
も有効なのは患者に安心を与えることであり、この意味で各国が矢継ぎ早に実施
している対策は、効力の有無に拘わらず、効果的であった。
◆ただし、わが国の麻生総理のように将来消費税を引き上げるというような言動は、
不安と不信感を与え、せっかくの対策の効力を削ぐものであり、こんな発言をする
こと事態思慮に欠けると言わざるをえない。
2.少子高齢化問題
◆高齢者が増える一方で少子化でそれを支える勤労人口が減るため、負担を増やさ
ざるををない。政策当局や官僚の頭にこのことがこびりついており、何かあれば
必ずどんな機会を捉えてでも消費税を上げようとする。
◆しかし、消費税を上げても結果的に税収が増えなかったことは、過去の引上げが
証明している。さらに、この問題は消費税を引き上げれば完全に解決できる問題
でもなく、今すぐに消費税を引き上げないと取り返しがつかなくなる問題でもな
い。つまり、不景気の真っ只中にある今、どうしても引上げなければならないと
いうほど逼迫した問題ではない。
◆その時期にあえて麻生総理が消費税引き上げに言及するのは、彼が財務官僚勢力
に取り込まれていることを意味している。
3.二極分化の進行と中流階級の没落
◆実は日本にとって最も深刻で早急に解決を図るべき問題がこれである。今までは
定年退職した時点でかなりの蓄えがあり、年金を受け取れば生活に困ることはな
かった。
◆しかし、今の40代以下にはそれは望むべきもない。長引く不況による賃金の低
迷、増税や社会保障負担の増加による可処分所得の減少、低金利の長期化で彼ら
の多くは十分な蓄積を持っていない。
◆年金給付額に多くを期待できない状況の中で、このまま、彼らが定年し年金生活
に突入すれば、日本はかってないほど大量の高齢貧困者層を抱えることになる。
◆この結果、少子高齢化の与える影響は、比較にならないほど深刻化することが
予想される。今すべきことは、二極化で没落しつつある中流階級を何とか立ち
直らすとであり、そのためには消費税の増税などもってのほかである。
◆どうしても税金がいるのなら、富裕層に対する累進課税の復活が最も望ましい。
所得税のフラット化と消費税、というような悪平等な税金負担の増加が、中流
階級を没落に導き、日本社会のアメリカ化という最大の危機をもたらそうとし
ている今、消費税の増税は最悪の選択である。
◆今、日本にとって最も重要な政策は、40代以下の国民に老後の資金を蓄積する
余裕を与えることである。
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全く同感です。
「財源としての消費税」なんて全くの嘘です。本当は、法人税や高額所得者からの税金を軽減して、その税収不足を消費税の増税でまかなおうとしているのが真実ではないでしょうか。
それを、あたかも「社会保障のために・・・」などと国民を欺いているのです。
そして、その欺瞞的なやり方が「多少の消費税を払ってもいいのでは?」と善良な国民の中にも浸透していることが残念です。
消費税を上げてもなにも解決しないことが、証明されていますね。
まずは高額所得者の増税、法人税の引き上げ、預金金利の引き上げです。
コメントありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。