日本人から、他人に迷惑をかけない、自分が嫌なことは他人にしない、人が見
ていなくても悪いと思うことはしない、という基本的な道徳や、弱者へのいた
わり、の心がが薄れている。弱い者に対し集団で暴力を加え金を奪う者、ばれ
なければ平気で駐車場代を踏み倒す者、考えもせず偽札を作る者。その他最近
の犯罪を見るにつけ根本的に欠けているのは善悪を判断する能力である。
また、辛抱とか我慢、というものができなくなっている。弱者を平気で傷つけ
たり、少しのことですぐ切れて暴力をふるったりする傾向は昔と比べて相当増
加している。
これらは本来学校ではなく家庭でしつけられるべきものであるが、多くの家庭
でその役割が機能していない。学校教育も問題があるが、日本にとっての本当
の問題は家庭教育の崩壊にある。戦中世代は敗戦によりその信じるものを失い
、ひたすら経済的な豊かさを追求した。経済発展の中で育った団塊の世代は経
済的豊かさと自由に価値をおき、子供に義務と責任、秩序の大切さを教育でき
なかった。
経済的には最初から豊だった彼らの子供たちは、自由と金には価値を認めるが
義務と責任に対する認識はきわめて薄く他人に対する共感度も低く自分中心で
ある。彼らに育てられた世代が今増加し、様々な問題を起こしている。これを全
ての家庭で矯正するのは不可能である。親の世代のかなりの部分がその能力
を持っていない。緊急避難的な方法として国家が家庭でのしつけ教育の一翼を
担うことも必要なのかもしれない。
しかし、すぐに国が家庭教育にまで口をだすことは現実的でなく、とりあえず、
政治が手をうてるとすれば、子供に対する教育以外にはなく、義務教育の全期
間を通じて道徳教育を徹底する、というのが唯一の策である。教育の力は本気
でやれば、我々が考えている以上に強力であることは過去の愛国教育や、隣国
の反日教育が証明している。これを正しく使えば20年もあれば改善されていくは
ずである。
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