現在、日本社会もアメリカに負けないくらい荒れてきている。学校でのいじめ
は後をたたないし、少女誘拐監禁も多発し、集団暴力、盗撮や痴漢、凶悪犯罪
の増加とあらゆる種類の犯罪が増加しているように思う。大人の犯罪も多いが、
特に目につくのは犯罪の低年齢化である。
現在の少年犯罪の心理的特性には次の特徴がある。
@自分中心で相手の立場を考えられない。
A欲望をストレートに要求し、それが満たされないと我慢できない。
B自分たちの仲間以外の価値観を認めようとしない。
この原因として考えられるのが家庭での躾の欠如である。
日本にとっての本当の問題は家庭教育の崩壊にある。戦中世代は敗戦によりそ
の信じるものを失い、ひたすら経済的な豊かさを追求した。経済発展の中で育
った団塊の世代は経済的豊かさと自由に価値をおき、子供に義務と責任、秩序
の大切さを教育できなかった。
子供時代、ほしいものを何でも与えられた結果、我慢をするという経験が少な
く、欲望が満たされないときに、その事実をうまく処理できず、原始的な怒り
に身をまかさてしまう。
兄弟が少ないため、兄弟間で争いをする機会が少ないうえに、親が子供の都合
だけで行動してしまうため、自分以外の立場を考え妥協するという経験が少ない。
親を通じて社会の価値観を厳しく教えられるという経験がないため、自分の価
値観を上回る社会の価値観があることを体験的に理解できていない。
親や教師が甘いため、大人は怖いものであり、社会の価値観を無視するとひど
い目にあうという実感がない。
今や家庭に任せていてはこの問題は解決できない。親の世代のかなりの部分が
その能力を持っていないからである。
子供の教育は国家の礎である。緊急避難的な方法として国家が家庭でのしつけ
教育の一翼を担うことも必要であると考えている。
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