日本社会で発生する問題の少なからぬ部分は、、転職が困難なことに起因している。
日本では、特に35歳以上の中堅職員や中高年の幹部職員の転職が難しく、企業なり組織
を何らかの原因で途中で退職すると、今までと同等以上の待遇を獲得することは極端に難しい。
また、一か所で長く勤めれば勤めるほど、有利になるようになっている。
その結果、就職しているところが一流であればあるほど、その組織から離脱することによるデメリット
が大きく、人は自分を殺してでも組織の都合に身を任せることになる。
日本の大企業や官庁で、法律や社会常識を無視した慣行がまかりとおり、不祥事の温床になったり、
過労死が後をたたず、組織ぐるみの選挙違反が常態化している土壌はそこにある。
また、大部分が大学卒業後その組織に入り、組織の中だけで生活し、組織に適応してその中で出世
した者で構成されているため、個人の益が組織の利益と一体化し、国益よりも何よりも組織の利益を
優先する体質が生まれている。
また、組織としての能力も視野が狭く、国益というような広い視野を必要とする分野で有効に機能しな
いのは、外部の血をいれないで同質の者だけで構成されているためである。
日本という国は、もっと、社会の流動性を高めることが必要である。そのためには、人の能力を客観的
に評価する仕組みが必要である。
しかし、日本人は人の能力を評価するのが、苦手である。個々人の仕事振りをよく見て評価するより
年齢や学歴、一律の試験に頼って評価しようとする。
上級職で入ればエスカレータ式に出世するキャリア制度や、仕事ができなくても試験に通れば出世
する警察官などはその典型である。
日本社会はもっと個人の能力評価や適性評価の技術を高め、人々がその能力にふさわしい仕事を
いつでも見つけられるようにし、社会の流動性を高めるようにしないと、一部の者が大きな特権を囲い
込み不正の温床となる既得権社会から脱することはできない。
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