ようやく日本でも日本が衰退するかもしれないと言われ始めた。しかし、実際のところは既に20年以上日本は衰退を続けており、さらに将来にわたってその衰退は継続すると見るべきである。
日本が問題とすべきは衰退に陥るのを如何に防ぐかではなく、加速度がついた日本の衰退を止めるには何をすべきかという問題である。
これだけ長期間衰退が継続しているにもかかわらず、日本人の危機感は意外なほど乏しい。その理由は代表的な日本国民がサラリーマンでかつ正社員であるからである。
サラリーマン経営者の温情と法律に守られ、どんなに日本の経済状態が悪くなっても正社員の給与に手をつけるのは最後の手段であり、これだけ長期間の経済低迷が続いても、個々の従業員の給与は上がらなくても下げられることは稀であった。
平均年齢の正社員の給与を過去と比較すれば減額されていても、個人の給与は過去と横ばいであっても下がることは稀であった。
これでは身に染みて日本の経済不振を認識することはできない。非正規社員は不況を実感することがあっても正社員はのんきなままでいられたのである。
結果、危機意識が乏しく、経済を復興させるような画期的な改革がなされる土壌も醸成されてこなかった。日本人の多くがぬるま湯の中でゆでガエルになってきた。
このままではもうすぐ日本全体がゆであがってしまう。社会を根本から変えるような厳しい改革だけが日本を救うことができる。そこでは個人の権利や人権でさえ経済発展と公共の利益の為には犠牲にされざるをえない。
日本はもう個人の権利を重視する民主主義的な手続きを順守していては立ち直れないところまできている。