みずほなど3メガバンクがデジタル技術による効率化などにより、単純合算で3.2万人分に上る業務量を減らすというニュースが流れている。
既に銀行の役割が時代遅れになりつつある現在、遅すぎるぐらいである。
メガバンクが取引先としてきた上場大企業は、銀行借り入れに頼ることなく市場から直接資金を調達することができる。
また、中小企業についても、優良企業はベンチャキャピタル等からの直接投資やクラウドファウンディング等資金調達の道は多様化しており、依然のように完全に銀行に従属する必要性は乏しい。
個人相手の業務にしても、預金や振り込みはコスト面でも利便性でもネット銀行の方が優位である。
預金や住宅ローンについてもネット銀行の方が条件がいい。
また、最近ではスマホやネットを利用したフィンテックの普及で銀行を経由しなくても支払や振り込みが可能になりつつある。
企業にとっても個人にとっても銀行の必要性は格段に低下しており、企業分野では成長性の無い低収益企業、個人分野では金融やネットの知識の乏しい高齢者だけが主要な顧客として残るだろう。
この情勢を踏まえメガバンクは国際分野と投資銀行分野にシフトしているが、この分野はそれほど多くの人員を必要としない。
銀行という業態が時代遅れになりつつある現在、メガバンクが人員削減に走るのは当然の流れである。その次は地方銀行においてより大規模で徹底的な人員削減が始まることになるだろう。