小笠原誠治氏が8月15日のブログで「税収弾性値が
3.7もあるので税収不足は解消すると喧伝する輩たち」
という記事を書かれている。
しかし、前回と同様データによる論理展開はその結論を
裏付けるものとなっていない。
氏は、2003年以降の11回の内、名目GDPの伸びと
税収の伸びが正反対になっている年が3回あったことを
もって、名目GDPの伸びと税収の伸びは関係ないと断じ
ている。
この論理に納得できますか。
氏のデータで別の読み方をすれば、GDPがプラスの年
は7年ありますが、その内弾性値が3.6以上の年は5年
あります。これをもって名目GDPが成長すれば弾性値
3.6以上で税収が増えると期待することはそれほどお
かしなことでしょうか?
また、2003年については名目GDP0.8%増加に対し
税収が1.1%減となっている。その内訳をみると所得税
減、法人税・消費税増となっており、その最大の落ち込
み要因は利子・配当の源泉税の減少4千億円である。
(利子所得等は、高金利時代に預けられていた郵便貯
金定額預金の満期による集中払戻がピークを迎えたこ
との反動で大幅に減少したもの)
また、2006年度については所得譲与税が前年が1兆
1千億円に対し、当年度は3.1兆円に増加したことが
影響している。
この例外年2つについては、税収が減少した別の合理
的理由が存在したのである。
このように、例外年度には特殊要因の影響があること
から、小笠原氏のように、名目GDPが増加しても弾性値
3.6以上の税収増は期待できない、と断じるのはこの資料
だけでは無理であり、氏の主張はこじ付け以外のなにも
のでもない。
posted by ドクター国松 at 14:18
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