にほんブログ村 政治ブログへ 人気ブログランキングへ
最初のページはこちらです。

2011年08月01日

「政府紙幣の発行で財政再建可能の嘘」という間違い

一橋大学国際・公共政策大学院及び経済学研究科
准教授の國枝 繁樹氏が日経ビジネスオンラインで
政府紙幣発行で財政再建の嘘という文書を載せて
いるが、説得力のあるものではない。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20110726/221685/?P=1

その理屈は以下の通りである。
1.国民にとっては、政府紙幣でも日銀券でも同じな
  ので、政府紙幣の増加分だけ、日銀券の保有を
  減らす。
2.それに対応するため、日銀は国債を売り、日銀券
  を吸収する。

3. その結果、日銀保有の国債残高が減少し、金利
  収入が減り日銀納付金も減少する。
4.現在および将来の日銀納付金の減少額の現在価
  値は、政府紙幣による増収額と一致し、現在価値
  ベースで見れば、政府紙幣の発行により政府の歳
  入は増加しない。

この論理の問題点は前提にある。市中での通貨の必
要量を一定と仮定していることである。だから、発行さ
れた政府紙幣相当分必ず国民は通貨保有量を減らす
という主張が出てくる。

しかし、当然のことであるが、市中の貨幣流通量は経
済状況によって異なる。

例えば、今回10兆円の増税によって賄う復興資金を
全額政府紙幣で賄うとすれば、その10兆円相当分
国民が日銀券の保有を減少させることはありえない。

その分は追加で流通し、GDPの増加に寄与し税収と
して歳入増加をもたらすことになる。

また、「流動性の罠を脱すれば、再び貨幣需要側の制
約が効いてくる。高インフレを招かないためには、政府
紙幣または日銀券を減少させる必要が出てくる。」

との主張があるが、30兆円を超える需給ギャツプのも
とでは20兆円程度の政府紙幣の発行では、高インフレ
の原因とはなりえない。

posted by ドクター国松 at 10:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 積極的な成長戦略 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする