独断と偏見の目立つ池田氏が、またその真骨頂を発揮している。
岸本氏のtwitterでの 「今から、慶應大学の金子勝教授の講演会。国対委員会の勉
強会。最近、民主党批判をされていますが、知的に一貫性のある方ですね。埼玉大学
の経済学部で客員教授を始めた頃からのおつき合いです。 」という発言を別のtwitter
メンバーから聞かされた池田氏は、
ブログ(http://ikedanobuo.livedoor.biz/)の中で
最低のマルクス派はとっくに死滅したと思っていたが、民主党には菅直人氏を初めとして
社会主義者がまだ生き残っているようだ。
岸本氏にはまだ将来があるのだから知っておいたほうがいいと思うが、
「ゲーム理論の前提となる契約理論」とか「プレーヤー同士がお互い情報を完全に知り
えないという情報の非対称」などと書く人物に話を聞いて「勉強」しても、まともな政策
は絶対に立案できない。
こういう社会主義の亡霊を清算することが民主党の課題だ。たしかに日本の危機は深
刻である。と批判している。
金子教授については、テレビでは見るが、その研究はよくしらないので、インターネット
で調査すると、現在は日本財政学会、日本地方財政学会、進化経済学会に所属して
いるらしい。
このうち、進化経済学会がマル経と関係があるような記述を見つけたが、正当なマル
経でも無いようだ。
池田氏の発言の内、「プレーヤー同士がお互い情報を完全に知りえないという情報の
非対称」という意味がわからなかったので、池田氏の記述をインターネットで探すと、
金子氏の著作に対する書評
(http://www003.upp.sonet.ne.jp/ikeda/Kaneko.html)
の中で、金子氏の記述「情報の経済学では、個々のプレーヤー(参加者)が限定合理
性を抱えているために、耐えず(ママ)市場は失敗する可能性をはらんでいます。市場に
は、プレーヤー同士がお互い情報を完全に知りえないという「情報の非対称」」がつ
きまとっています。」に対し、
「著者は情報の経済学の教科書も読んだことがないのだろう。そこには、すべてのプレ
イヤーは合理的に行動するという仮定が書かれている。彼らが「限定合理的」に行動
したらどうなるかは、ほとんど何もいえないからだ。また情報の非対称性とは、読んで
字のごとく一方が(自分のことは)知っているが、他方が知らないという非対称の
ことだ。「お互い知らない」場合には、単なる確率的最大化問題になる。
と批判している。
つまり、経済学の教科書にはすべてのプレイヤーが合理t的に行動すると書かれているから、
合理的でない行動を想定した経済学を語ることは無意味である、といっているわけである。
すべてのプレイヤーが合理的に行動する社会がありえないことは、誰の目にも明らかである。
そのありえない社会にしか通用しないのが経済学であれば、それは単なる頭の体操である。
池田氏はどうも、経済理論を絶対化したがる傾向があるらしい。
以前も、市場メカニズムが完全に機能し生産物に対する販路の問題が発生せず、
完全雇用状態であり、失業者が存在しないという浮世離れした新古典派の成長理論
をもちだして、現在の失業者があふれ、需給ギャップでデフレが進行している日本経済
の回復策として需要拡大策を考えている菅副総理の主張を批判していた。